部活動

表象文化研究部

主に東京で行われる絵画展や映画を通じて、ある表象が歴史的な文脈の中で、どのように利用されているかを研究する部活動です。つまり、芸術・文化に触れて自らの感性・教養を磨くことを目的としています。

部活動・委員会一覧
2017-07-28

先日、生徒たちと三菱一号館美術館に行きました。レオナルドとミケランジェロの主だった素描がたくさん見られるたいへんよい美術展です。

そのときはまだ来ていなかったのですが、なんとミケランジェロのキリストの彫像(たいへん大きなもの)が来ています。単身見に行きました。泣けるほどすばらしい彫像です。

ああ、ミケランジェロは彫刻家だったなと改めて思いました。日本で見ることができないために、素描とかで満足していましたが、これほど大きなミケランジェロが日本で見られる機会はそうないと思いますので、この夏ぜひ一目会い行かれてはどうですか。

キリストが元気な感じなのは、システィ―ナ礼拝堂の天井画同様に、復活後のキリストを彫ったからでしょう。

2017-07-28

夏休みの合宿の最終打ち合わせをしました。高2の生徒が中1のバディとしてフォローする組み合わせを作りました。ホテルも5人部屋がほとんどなので、高2・中3・中2・中1の縦割りで構成しました。よく面倒をみてくれる先輩たちです。

2017-07-23

8月お盆過ぎに表象文化研究部(中1〜高2)12名と顧問・副顧問ALTのジェイミー先生で、「鎌倉合宿」に出かけます。昨年は、「京都合宿」でした。表象文化研究部の欄の最初の方にその報告がありますので、よろしければご覧ください。

さて、今年の「鎌倉合宿」には部長の大岩君が単身フランスへ絵画を見る旅に出ることになり、不参加。副部長の鎌田君、周藤君がリーダーになって、次の2日間の行程を計画、実行することになっています。

(1日目)
北鎌倉→円覚寺→東慶寺・松ケ岡宝蔵→浄智寺→葉祥明美術館→妙月院→建長寺→鶴岡八幡宮→鎌倉国宝館

(2日目)
銭洗弁財天→高徳院→長谷寺→成就院→極楽寺→江の島

2017-07-17

下北沢駅からすぐのところに「レインボー倉庫」という1階が喫茶店の建物があります。その3階で今、日本学園のALTジェイミー先生の個展をやっています。本日17日から30日(日)までの約2週間、展示しています。表象文化研究部のメンバーも、ジャコメッティ展を見た帰りに立ち寄りました。

中学教員室でジェイミー先生と私は美術の話をしています。作品についてもいろいろ質問をしてきました。

ジェイミー先生は、南アフリカ出身で自国にいながら少年の時から日本にあこがれ、日本のアニメをネットで見て育ったそうです。そしてやっと日本でALTとして働きながら学ぶ機会を得ました。彼の絵の主題は、南アフリカと日本の間にある「未完成の身体」で、それをどのように表現するかを今試行錯誤しているそうです。その新作「未完成シリーズ」も展示されていました。日本的なものも南アフリカ的なものもともに、「未完の身体」のなかで、ある意味で断片化していますが、完成へ向けてのその試行錯誤こそが、ジェイミー先生の今もっとも大事な問題なのだと感じました。

生徒たちもサイバーパンク的な絵画に感心していました。

2017-07-17

快晴の祭日(海の日)。表象文化研究部の生徒たちは、夏休み前に行くのだと意気込んでいた「ジャコメッティ展」に急遽でしたが、お知らせを配布し、行ってきました。午前中早めに明大前駅改札に集まり、顧問を入れて8名で出発。

いつも一緒に行くはずの「副顧問」と私たちが勝手に思っているALTのジェイミー先生は、事情があって今日は来られません。なぜなら、日本で初めてのジェイミー先生の個展が、本日から下北沢・レインボー倉庫(3階)で始まったからです。私たちも「ジャコメッティ展」に行ってから、駆けつける予定でした。

さて、まずは当のジャコメッテイ。対象との距離に苦しんだデッサンから独特の身体をもった人間が彫像として立ち現れる過程がわかるような展示になっていました。目の前の人物を描けなかったジャコメッテイは、記憶のなかの人物をまずはデッサンし、彫像に。次に身近な人を徐々にモデルにするが、少しでも動くと大きな声を出したらしいです。日本人・矢内原伊作さんも重要なモデルの一人でした。

記憶から眼前の対象へ、しかし像は極小まで小さくなったり、細く高くなったり、群像として複数の像のコンポジションが問題になったり・・・。何よりも人物の形を取らない「キューブ」だけを作り続けた時期を持つジャコメッティは、実に正直な人だと感じました。

彼は以前見たセザンヌの系譜の人で「見たままに描く」困難を一生引き受けた画家だと思いました。中1の栗橋君が、「どの彫像も表面がつるつるしてなくて、でこぼこにしてありました。あれは考えていますね。」「猫も犬も彼にはあのように見えるのでしょうね」と。よく見ているなと感心しました。

2017-07-17

ジャコメッティ展のデッサンと見比べるおもしろさもありますよ。「レオナルドとミケランジェロ展」のデッサンは、今更ながらよかった。

2017-07-09

デッサンが絵画と彫刻をつなぐーレオナルドは絵画の方が彫刻より上だと主張しましたが、ミケランジェロはもっと冷静でしたー絵画と彫刻はデッサンの娘、同等であると言いました。

ミケランジェロはひとつの彫刻を作るのに、まずレオナルドが何度も絵画デッサンをしたのと同様に彫刻のためのデッサンを重ね、次に小さめの彫刻モデルを作り、そして仮に実際の大きさで作ってみる(削ってみる)、それで納得がいけば、いよいよ大理石に向かったようです。彼は大理石の現場にも行くような人だったらしい。彼の顔をみましたか。芸術家である前に職人という貌をしています。私にはそう感じられました。

ふたりは、「アンギアーリの闘い」の壁画をめぐり競争したことがありましたが、今はともに残っておりません。その模写の一部を以前富士美術館にみんなで見に行きました。今はそこに美術評論家の最初の人・ヴァザーリの絵があるそうです。

2017-07-09

鎌倉合宿を8月半ばに控え、おとなしくなるどころか、私たちは「期末試験」を乗り越え、さらに夏のエネルギーを吸って、ますます青々とした葉を生い茂らせるかように、美への触手を伸ばしています。

「美術館のはしご!」と言って自分たちで勝手に笑っていますが、表象文化研究部の面々は、午後からふたつの美術館を、いわば「はしご」しました。

上野・国立西洋美術館から有楽町・三菱一号館美術館へ。野菜や動物で人物の貌(かお)を構成する奇妙な画家「マルチンボルド」を見て、ルネッサンスのふたりの巨匠・レオナルドとミケランジェロの主として素描を見比べる美術鑑賞へ。

この幅を鑑賞するのもとても意義のあることだと思います。好き嫌いはあって当然です。見比べて自分がどう思うか、それが大事です。暗記は必要ありません。その場の感性がすべて。どう感じるか。口々に出てくる感想を顧問はただ聞くだけです。

余計なアドバイスは致しません。それは後で自分で掘り下げればいくらでもできることですから。

2017-06-20

最近、表象文化研究部の生徒以外の中学生もかなり熱心に美術館・博物館に行くようになってきた。とてもいい傾向だと思っている。よく考えれば、どの学校も学校行事で年一回大がかりで出かけるような場所ばかりだ。そこに年間、少なくとも10回以上は足を運び、本物をじっくり見る機会を作っている。これは自慢してもよい、と生徒たちと一緒に胸をはる顧問であったw

さて、今回は珍しく美術館ではなく、博物館で、大英自然史博物館展が目玉、そして国立科学博物館の展示物も負けていませんよ、と生徒が口々にいうので、みんなで見ることに。確かにすばらしい。量も質もかなりのもので、今回は地球館しか行けなかったが、それでも相当に満足した。

大英自然史博物館の方は、始祖鳥をはじめ、この自然史博物館のかかわった人や成立した歴史もわかるような展示内容になっていた。絶滅した動物の剥製はかなり目を見張るものがあった。昼すぎに入って、5時過ぎに出てきたのでかなり疲れたが。その疲労感にもまして満足感があり、何度もきてときどき見るべきところだなと実感した。

生徒たちからいろいろ教えてもらった。ここは彼らの方が小さいときから何度も来ており、先生なのだった。

2017-04-23

東京都美術館「バベルの塔」展を出て、中1の二人とジェイミーは用事があってここで解散。残りのメンバーは、その足で東京国立博物館で開催している「茶の湯」展に行きました。

日本学園の生徒がいいところは、あまり先入観を持たず、見てみよう、やってみようとするところではないかと思います。以前も、顧問をおいて「盆栽展」にみんなで入って楽しむような好奇心旺盛なところがあります。今回も「茶碗なんかみてもねえ」なんて声はなく、どんどん入ってみました。

最初に牧谿(もっけい)という画家の三幅の掛け軸がありますが、これは足利義満がもっていたというだけあって、すごいものだと思います。日本のトリプティック(三枚つづり絵)だと思います。

それから徐々に茶の世界へ。村田珠光、武野紹鴎、千利休という流れで、「茶の湯」が完成してゆく様が、さまなまな用具や茶器、茶釜などを通じてみえてきます。利休は「術は紹鴎、道は珠光より」と言っているようです。

生徒たちとも話になったのは、千利休までは実は結構落ち着いて見られるということです。そう特別なことはしていない。端正で静かな感じが漂っている感じ。しかし、古田織部あたりからどうも「茶の湯」も革命が起きたように感じるということ。

ひび、われ、ゆがみ、鈍重な感じが茶器に入ってきて、渋さが一層増してくるのが見て取れました。江戸の小堀遠州あたりまでくるとまたさらに何かが付け加わっているのかもしれません。

帰りに外に出ると小雨が降っていてちょっとびっくりしました。あれだけ晴れたよい天気だったのに。学校帰りにこれだけ腹いっぱいの本物を見られるのは、感性を磨くのに最高です。