職員室

リレートーク

にちがくの教職員によるリレートーク
~学校生活、そして日常を語り繋ぎます~

2018-01-29

「雪とけるまでともに」添田先生(中学副担任・国語)

朝からはらはらと舞いだし、夜が深まってもしんしんと降り続けた雪の日から一週間がたったでしょうか。のんびりと溶けきる気のない道端の雪が、底冷えする日々を物語っています。いつにもまして、春が待ち遠しいこの冬です。

全員の「書き初め」が展示された中学フロアは今、一年の中で最も穏やかな時間が流れています。先日「研究論文発表」をやり終えた三年生は、『創発学』で満ち満ちた日本学園中学校での学びも、「オーストラリア語学研修」を残すだけとなりました。
「英語検定」や「漢字検定」もありました。年が明けてたった三週間、これだけの取り組みがありましたが、春には精一杯だった一年生も、やわらかな時の中にいます。中学三年生の夏も秋も、そして冬をも、落ち着いて学習や行事に取り組め、いつも高校卒業後のその先を見つめていられるのは、中高一貫校ならではの時間の流れ方でしょうか。

一方、大学入試目前の高校三年生のフロアはどうでしょうか。
センター試験の日に東京に雪が降った数年前のことを、ふと思い出しました。そのときの高校三年生たち、部活動に文化祭に笑顔のはじけた夏の終わり、覚悟を決めた彼らの冬の最後の頑張り、そして、どんな年もかならずやってきた、春。

本校の高校三年生も、先日無事にセンター試験を終えました。一般入試を控えた彼らは、相も変わらず毎日学校に通い続けています。大人が怯んだ雪の日も。

受験直前講習、合間の自習、友人と昼食をとりに楽しそうに駅前へ歩く時間。目標を決め、覚悟を決め、今日すべきことを自分で決められるようになった彼らの今日までの日々。教え、教えられ、見守った日々。女子生徒より三倍手のかかる男子たち、あとは、やるだけやっておいで、と背中を押すだけです。

午後、最後の講習をします。
その中には入学したての頃、「なんで勉強しなきゃいけないんですか」と、窓の外ばかり見てよくぼやいていた生徒もいます。「好きな教科はある?」「べつに」
あの日の「べつに」とは別人のような声音で、入試演習を解いたあと、今日もきっと古文読解について的を射た質問をするでしょう。二月の本番を目前に、今日も必死に吸収しようとするでしょう。いよいよ臨む闘いの場へ一人で立ち向かえるのは、今日までこの教室で共に悩み、共に学んだ仲間がいたからです。

「何のために勉強するの?」は、「何のために生きるの?」と同じくらい、答えは自分一人のものだということに気がついたとき、男子の顔つきは青年へと変わるのかもしれません。仲間と共に過ごしたかけがえのない日々の中で、本当はたいして深い意味などない問いだということに自分で気づく。自分で「前進」を決めたとき、勉強も人生も自分だけのものなのだ、と知る。

今年もそうして前を向く高校三年生がいます。雪はまた、近いうちに降るでしょう。二月は寒さも厳しさをますでしょう。一喜一憂することなく、高校三年生全員の春を、教員一同全力で支えていきたいと思います。