職員室

リレートーク

にちがくの教職員によるリレートーク
~学校生活、そして日常を語り繋ぎます~

2017-11-15

「『君たちはどう生きるか』に再び出会って想うこと」(吉野源三郎著)恩田先生(教頭・理科)

街の本屋さんを覘くと、「君たちはどう生きるか」(原作:吉野源三郎著・マガジンハウス)の漫画が平積みされています。手にとってページを捲ると眼鏡をかけた中学生(コペル君)が描かれ、読み進んでいくと、昔この本に出会った当時、頭に思い浮かべた眼鏡を掛けて気の弱そうで勉強が好きな少年がそのままの姿で描かれていて思わず懐かしさを感じました。

「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎著・岩波文庫)との出会いは今から約40年前、大学の教職課程の授業で紹介されて読みました。科学的なことに興味関心があり、科学や数学に関した本を中心に読み込んでいた中で「人間の生き方」についての本は衝撃的であり感動でした。特に大学2年生のときで、次年度の選択科目で研究志望を目指しより専門的な科目を選ぶのか教職課程を継続していくのかの悩みの中での出会いであり、大きな指針になった記憶があります。

今でも鮮明に記憶に残っていて授業でも話しているのは、「ニュートンの万有引力の発見」について「ニュートンがりんごが木から落ちたのを見て、想像の中でりんごを、10m、100mと上げていき月の高さまで上げたとき、重力があるならりんごは落ちなければいけないが、月が地球に落ちてこないのは地球が月を引っ張っている力と月がまわる勢いで飛んで行こうとする力が釣り合っていると考え証明した」との項目です。理科的なことだけではなく、生きていく中で物事の本質をみつけることは重要です。今見えることを掘り下げていくと見つかることがあります。

もうひとつ重要なのは「ものの見方」です。本で述べられていますが、天動説と地動説のように、人も小さいときは天動説のように自分中心に考えていきますが、大きくなり社会を知るようになると広い世間を先にしていろいろなものを考える、地動説のような考え方をしていきます。ただし、人は弱いもので自分勝手な考え方(地動説的考え方)をして都合のよい見方をしてしまいます。昔、自分たちが宇宙の中心と考えていた間、宇宙の本当のことが分からなかったと同様に、自分を中心にして物事を考えていくと世の中の本当のことも知ることができないで終わってしまいます。ぜひ、「ものの見方」を身につけて欲しいと思います。勉強でも各論ばかり勉強すると本質が見えなくなります。そのとき少し離れて総論を勉強してみてください。

さて、今授業を担当している高校1年生は来年の文理選択に向けて、高校2年生は理科選択、社会選択の時期になっています。特に高校2年生は、自分の将来を考え自分の進みたい方向への授業選択となります。「ものの見方」とか「ものの本質」とは異なりますが、自分の将来に向けてじっくり考えて来年度の授業選択をすることを願います。

最後に、漫画「君たちはどう生きるか」(原作:吉野源三郎著・マガジンハウス)は非常に読みやすいです。ぜひ読んでみてください。